銅之薬缶
東屋
憧れのやかん
やかんに対して今までとくにこだわりを持っていなかったのですが、いざ東屋の銅之薬缶を目の前にすると「ついに出合ってしまった」と感じたから不思議なものです。
なぜか惹かれてしまうのには理由があるはず。毎日使ったら、どんなやかんになるんだろうかと、育てる楽しみが生まれる道具です。
素材のよさを最大限に生かした道具
銅には優れた熱伝導と、抗菌・除菌作用や塩素を分解する作用があります。だからやかんにするにはぴったりの素材なのです。約2リットルと大容量でも早くお湯が沸くのはうれしいですよね。
そしてなにより、素材の経年変化を楽しめるのが魅力。最初は明るく赤みを帯びた金色のような色なのですが、使うほどにこっくりとした飴色に変化していきます。
ちなみに、変化しやすいのは取っ手など、人がよく触れる部分。そのためうまく変化させるには、毎日使うことはもちろん、全体を撫でてあげるのもいいそう。人の手の汗や皮脂によりいいツヤを生み出すので、「ヨシヨシ」と静かにやかんを愛でる時間を設けるのもアリかもしれません。
細部に宿る職人技とこだわり
新潟県燕市のメーカー「新光金属」が製造し、アートディレクターの渡邊かをるさんがデザインした、シンプルながらも存在感のある逸品です。
新光金属はパーツ製造から溶接まで、さまざまな技術を兼ね備えた貴重なメーカー。薄い銅をやかんに加工する技術はとても難しいそうで、ひと月に生産できる数に限りがあります。
なめらかなボディのフォルムは言わずもがな、蓋や取っ手といった細かなパーツまで非常に美しい。溶接も手作業で行われています。
よく見ると、取っ手の付け根に小さな爪が付いているのに気づきました。これは取っ手が倒れないように付けられたストッパーなんです。取っ手が倒れたままの状態でお湯を沸かしてしまうと、非常に熱くなり危険。それを防ぐための、便利なパーツです。
一度完成したものでも、使い心地を追求してバージョンアップさせるものづくりへの姿勢。ここにも東屋らしさがにじんでいます。
お手入れしながら長く使い続けて
使ったあとはやわらかいスポンジなどでよく洗い、水気を取って乾燥させます。お料理中など、キッチンで油や湯を使う場合は、そばにやかんを置かないようにしてください。油ハネなどにより、洗っても取れない跡が付いてしまうからです。きれいに経年変化させたい方はとくにご注意を。
また長く使っていただくために、部分的な修理も受け付けています。取っ手やつまみ部分の締め直し、内面のめっきの再生などが相談可能。取っ手の交換も可能ですが、その部分だけ新品になってしまうことをご了承くださいね。本体のへこみなどはお直しができません。
当店でご購入いただいたやかんの修理が必要になった際は、当店が窓口となりますのでお気軽にご相談ください。
photo by Saori Kojima text by Kaori Sugimoto edited by Ikumi Tsubone
メンバーのおすすめポイント
東屋について
1997年の創業当時から信頼できる国内の手工業と協働し、暮らしの道具をつくり続けている東屋(あづまや)。日本の職人の技術を絶やさぬよう、ものづくりの仕組みから正し、使い勝手や使い心地を追求した商品を生み出すという一切妥協のない姿勢を貫いています。
サイズ |
幅200mm×奥行175mm×高さ240mm(取っ手含む、蓋のつまみまでは150mm) |
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素材 | 銅(内部:ニッケルめっき) |
容量 | 2.18L(満水時) |
重量 | 620g |
製造 | 新光金属(新潟県燕市) |
デザイン | 渡邊かをる |
生産国 | 日本 |
箱 | 有り |
注意事項 |
・撮影上、実商品と写真で色味が若干異なる場合がございますのでご了承ください。 ・酸化防止剤等を一切施していないため、開梱時に表面が酸化している場合がございます。使用には問題ありませんので風合いとしてお楽しみください。 ・空焚きは危険ですので絶対におやめください。また、強火での使用は劣化の原因になります。 ・水量の下限として、注ぎ口の付け根の上まで水を入れてお使いください。 ・IHクッキングヒーターには対応していません。 |
こちらの商品はギフトラッピング対応商品です。ご希望のお客様は、以下より種類を選択し、カートに追加をお願いいたします。
- 通常ギフトラッピング
クリスマスラッピングは上記よりお選びください。
- 通常ギフトラッピング(220円 税込)
なお、ギフトラッピングをお選びで、複数商品をご購入のお客様は、お手数ですがギフト対象商品名をカート追加後の備考欄にご記入ください。
※記入例
ライター 瀬戸川
なんだか拝みたくなるような、威厳と風格あふれる佇まいがたまりません。
銅の調理道具というと、ある鉄板焼き店の壁に掛けられていたフライパンを思い出します。使い込まれているけれどていねいに磨かれていて、それはそれは美しかったのです。
このヤカンもあんな色に育つのかしらと思うとワクワクします。まさに一生ものの日用品なので、節目の年の自分へのご褒美にしたい!
ライター / バイヤー 杉本
料理中だろうがなんだろうが、いつもコンロにやかんを置きっ放しにしてしまっていたズボラな私……。銅之薬缶のことを知り、ものへの向き合い方が変わりました。
どうしたら長く使えるんだろう。どんなふうに使えば「もの」がよろこんでくれるんだろう。そんなことを考えさせられるこのやかんには、なにか特別なものが宿っているとしか思えません。
いま使っているやかんを大切に使い寿命が来たそのときが、きっと銅之薬缶を迎えるタイミング。道具が人を選ぶ、なんてこともあるのかもしれません。
代表 / デザイナー 島
東屋さんといえば、私はまずこの銅之薬缶が思い浮かびます。
なかなか手に入らず、いちじつ でも一年に数個しか入荷できないため、私もまだ所有していないのですが、いつかは絶対に欲しいと思っているやかんです。
カウンターキッチンにして、コンロ周りにはタイルを貼って......と、眺めているだけで理想のキッチン像がパッとイメージできてしまう魔法のやかんです。
ディレクター / バイヤー 坪根
友人宅で見た、趣深い風合いをまとっていた鈍色のやかん。それが東屋さんの銅之薬缶でした。
銅は熱伝導率が高いのが特徴。あっという間にお湯が沸くのが機能としてうれしいポイント。さらに丸みを帯びた側面も美しく、職人の高い技術を感じます。
自分で使うのはもちろん、いつか いちじつ でも取り扱いをしたいとずっと思っていた銅之薬缶。
とても貴重なものなので、いつまでも大切に使っていただきたいです。
プロジェクトマネージャー 三井
見るたびに「なんて美しいんだろう」という吐息が漏れてしまう造形美。今までのやかんの概念が変わってしまいました。
蓋のつまみひとつとっても全体のバランスがとれていて、うっとりしてしまいます。
使い込むほど味わい深くなる銅之薬缶。3年、5年、10年後も美しい姿を見せてくれると思います。