casane tsumugu
世代を超えて愛されるデザインを
「casane tsumugu(かさね つむぐ)」は、秋田県を拠点に活動する地産レーベル・デザインカンパニーです。
秋田を中心とした北東北の文化や技術、地域固有の普遍的な魅力を取り入れながら、プロダクトの企画デザインや販売を行っています。
代表の田宮慎さんが大切にするのは、すでにあるモノ・ヒト・コトをていねいに見つめ直すこと。穏やかな印象の田宮さんですが、お話しを聞いていると、まるで職人さんのようにまっすぐで真摯な「ものづくり愛」を感じられます。
ときに「物事の根底にある仕組みごとデザインする」という田宮さんから生まれるプロダクトは、私たちの現代の暮らしにもなじみ、世代を超えて永く愛されるような、自然でありながらもしっかりとした存在感を持つものばかりです。
地域のつくり手たちとともに
casane tsumuguが手がけるもののなかでも、とくに印象的なのが「木」を用いたプロダクト。地域のつくり手と協業し、東北を代表する木材産業や伝統工芸を現代的にアップデートしたものづくりが行われています。
職人が一枚一枚ていねいに削りと磨きを繰り返した山桜の樹皮を、円柱状の木型を用いて膠(ルビ:にかわ)を塗った経木に巻きつけて、熱した金ゴテで押さえながら桜皮を成形してつくられる「樺細工(かばざいく)」を用いたプロダクトもそのひとつ。樺細工は江戸後期より受け継がれた伝統ある技法であり、国の伝統的工芸品にも指定されています。
いちじつでお取り扱いしている「YATSU」シリーズは、casane tsumuguと樺細工製造元の「八柳(やつやなぎ)」が2020年に立ち上げた共同ブランドです。桜皮のなかでも素朴で荒々しい美しさを持つ希少材「霜降皮(しもふりがわ)」が用いられており、独特な風合いを身近に感じられます。
ものや伝統のよさを再認識
「どこが一番だと競うのではなく、地域にはそれぞれが持つよさがあります。僕たちは秋田や北東北にあるものや伝統のすばらしさを多くの人々に伝えていく、そんな役割を担えたらいいなと思っています」と田宮さん。
casane tsumuguのアイテムを眺めていると、現代でも大切にしていきたいものや伝統が実は身近にあるんだと改めて気づかせてくれます。
地域とものづくりに大きな愛情を注ぐ田宮さんからどんなデザインや商品が生まれてくるのかと想像すると、わくわくする気持ちが止まりません。