有限会社やま平窯元[やま平窯]
有田焼の産地で生まれるこだわりの器
有田焼の産地、佐賀県西松浦郡有田町で戦後間もなくに創業した「やま平窯」は、有田焼窯元として、代々業務用食器を手がけてきました。
2011年からは自社ブランドとして、家庭用食器や花器などの展開を始めます。そして2012年に商品化されたのが、やま平窯の代名詞ともいえる「エッグシェル」シリーズです。
手間を惜しまず、ていねいにものづくりに向き合う
「工房で一人で作陶していたときに、エッグシェルを思いつきました。アイデアがまさに“降りてきた”ような感覚でした」と語る代表取締役の山本博文さん。
エッグシェルとはその名のとおり、卵の殻のような薄さと軽さが特徴の器です。厚みはなんと1ミリ以下。ビールやワインなどを注ぐと、飲み物の色がほのかに透けて見えるほどで、その様はとても優美です。
原型となったのは、江戸時代から明治ごろにかけて輸出用食器としてつくられた、「卵殻手(らんかくで)」と呼ばれる極薄手の磁器。やま平窯では透光性のある陶土を改良し、独自の技法を用いて卵殻手の技術を再現することに成功しました。焼き上がった試作を見た瞬間、「100点満点だ!」と山本さんは大きく頷いたといいます。
そこから商品化するまでにさらなる試行錯誤を重ね、かかった期間は約1年半。やま平窯の商品を手に取れば、決して手間を惜しまず、使い勝手や使い心地のよさを追求するという、ものづくりにていねいに向き合う姿勢がしっかりと伝わってきます。
驚きと感動をあなたの食卓に
商品を生産するうえで、デザインや成型、焼成など、分野ごとに他社に外注する分業制をとる窯元が多いなか、やま平窯では社内で一貫した生産体制が行えることが強みです。だからこそエッグシェルのような、独自性がありこだわりの詰まったアイテムが生まれたのも納得できます。
業務用食器の生産で培った確かな技術と経験を生かし、新たなアイデアから生まれる暮らしの器たち。私たちに、たくさんの驚きと感動を届けてくれることでしょう。