株式会社志成販売[shesay]
日々の“気づき”を形に
商いの町、大阪・南船場を拠点に1971年に創業した株式会社志成販売。中国骨董品の輸入業から始まり、現在は世界各国から仕入れる天然素材やリサイクル素材を取り入れて、インテリア雑貨や服飾雑貨を企画・販売しています。
オリジナルブランド「shesay(シセイ)」のものづくりでは、日々の“気づき”が大切にされています。新しい商品のアイデアとなるのは、生活や仕事をしながら浮かぶ何げないひらめき。
その“気づき”を形にするために、世界中へ足を運んで素材を選び、各国の職人たちと何度も試作を重ね、私たちの暮らしを彩るさまざまなアイテムを生み出しています。
何度でも生まれ変わる「リューズガラス」
いちじつで主にお取り扱いしているのは「リューズガラス」シリーズです。
リューズガラスとは再生ガラスのこと。英語の「リユースガラス」を社内で呼びやすく変化させているうちに、いつのまにかリューズガラスというオリジナルのネーミングが定着したそう。2000年頃から販売を始め、今ではshesayを代表するアイテムのひとつになっています。
砕いて溶かせば原料に戻せるのがガラスの特徴。リューズガラスは使用済みのガラス瓶や不要品として回収されたガラス製品をもとに作られています。これらを細かく粉砕して「カレット」と呼ばれる状態にした後、ソーダ灰や石灰石を加えて高温で溶かしてガラス原料を作ります。
その工程は、ガラスを砕いてから金属や小さなごみを取り除くといった多くの手順があり、最後は手作業で異物を取り除くのだとか!
リサイクルと簡単に言っても多くの手間がかかりますが、「サスティナブルな素材で暮らしを楽しむ道具を作ることで、人々の生活に寄り添った環境保全の取り組みに貢献したい」という思いから、shesayではリューズガラス製品を作り続けています。
リューズガラスには生産国であるベトナムで回収されたガラスが使われていますが、日本でもガラスのリサイクルシステムは確立されています。手放した後も資源として活用される素材なら、気持ちよく愛用できますよね。
手しごとならではの風合い
shesayでは製品ごとに素材や生産国を厳選し、土地に根ざした文化や、その地の職人ならではの技術を使ったものづくりに重きを置いています。
リューズガラスがつくられているベトナムは、村人全員がガラス職人という村もあるほど、ガラス工芸がさかんな国。熟練工たちの手により、「型吹き成形」という昔ながらの技法でつくられています。
型吹き成形は、溶かしてドロドロになったガラス原料を型の中に入れて、吹き竿で息を吹き込んで形づくる方法です。そのためガラスの表面にかすかなシワがあったり、小さな気泡が見られたり——。同じシリーズであっても、一つずつ、繊細な表情のゆらぎを楽しめます。
暮らしを豊かにする脇役たち
「誰もが当たり前に使う日常品でも、少しこだわった使い方ができる工夫のあるものを」という視点から生まれているshesayのアイテム。
目に留まるような派手さはないかもしれません。ですがプレーンなデザインは生活にすんなりとなじみ、だからこそ、使いやすさを求めた小さな工夫がキラリと光を放ちます。何げない”気づき”を大切につくられたものは、私たちの毎日を少しだけ特別に彩ってくれます。