タオルを洗濯するとき、柔軟剤をあまり使わない方がいいと聞いたことがあります。実際のところどうなのでしょうか? おすすめのお洗濯の仕方を教えてください!
タオルに関する素朴なギモン。神藤さんに聞いてみました!
知っているようで知らないタオルのホームケア方法。神藤タオル株式会社で代表取締役を務める神藤貴志さんに、タオルに関するあれこれをお聞きしました!
柔軟剤は使わずにお洗濯していただく、というのが一番おすすめです。
柔軟剤には「繊維を油膜で覆うことで摩擦を減らし、洗濯物が柔らかく感じるようにする」というメカニズムがあるので、過度に使うとその油膜が残り、水を弾いてしまうのです。
また、「毛羽落ち」の度合いにも影響があります。タオルで顔などを拭いたときに、ホコリのような細かな繊維が肌についてしまった経験はありませんか? これが「毛羽落ち」です。
本来であればお洗濯の最中に、綿繊維の繊維長が短いものが「毛羽」として落ちていきます。お洗濯を繰り返すなかで毛羽が緩やかに落ちて減っていくと同時に繊維が締まっていき、短い繊維が絡み取られ毛羽落ちが減っていきます。
ですが柔軟剤を使うと「摩擦が減る=繊維同士の絡みつきも弱くなる」ので、毛羽が出やすくなってしまうのですよ。さらに毎回使い続けると繊維に油膜が残り続けることになります。そのため、どうしても吸水が悪くなり毛羽も出続けてしまうといえます。
贅沢をいえば少ない洗濯ものの量で、たくさんのお水を使ってお洗濯していただくのがよいでしょう。ただ、やはりお洗濯し続けると繊維がどんどん締まって硬くなっていってしまうのは間違いないので、「ちょっと硬くなってきたな~」と感じたら、少しだけ柔軟剤や乾燥機を使って柔らかさを出す、というのは個人的にはアリかなと思っています。
干すときに気をつけることはありますか?
太陽光や過乾燥などによるダメージと臭いを避けるために、「風通しがいいところで陰干し」が一番おすすめです。
推奨はしませんが、乾燥機をお使いの場合はもしあれば低温やジェントルモードを選んでいただいた方がよいですね。
タオルを使ううちにもし「ピリング(毛玉)」ができてしまったら、ハサミでカットしてもよいのでしょうか?
カットしても大丈夫ですが、タオルの状態を少々注意して見ていただけたらと思います。
「INNER PILE」の場合は、中に挟まれているパイルが表面に出てきてピリングのようになってしまうことがあります。通常のタオルのピリングと同じように、その部分をカットしていただければ問題ありません。ただ、その際に表面のガーゼ地の糸も切ってしまわないようにご注意ください。
また、ガーゼ地も何かに引っ掛かったりして糸が引っ張られ、ピリングのようになるケースがありますが、ガーゼ地の糸をカットしてしまうとそのままほつれに発展してしまいます。
中から飛び出しているパイルかどうか、しっかりご確認いただいたうえでカットしてください。
その飛び出しが中のパイルのものかガーゼのものか確かめるには、少し引っ張ってみてください。表面に引きつれが起きるようでしたら、それはガーゼ地の糸ということになります。
ちなみに、ガーゼ地の糸が引っ掛かりなどでピリングのようになってしまった際には、縦方向の糸か横方向の糸かを確認して、タオルの端を持ってその方向に引っ張ってみてください。引っ張られてピリング状にたわんだ糸が伸ばされて元に戻ります。「2.5-PLY GAUZE」でも同様です。
神藤さん、詳しく教えていただきありがとうございました! 毎日必ず使うものだからこそ、ホームケアも気をつけていきたいと思いました。みなさんもぜひ参考にしてみてくださいね。