hikaru noguchi
ダーニングを身近に
ニットブランド「hikaru noguchi」を手がけている、デザイナーの野口光さん。東京を拠点に、インテリアやファッション業界でニットデザインのコレクションの発表や販売を行っています。
近年では「ダーニング」人気の火付け役として各地で精力的に活動する野口さん。ダーニングとは、衣類の擦り切れや虫食いでできてしまった穴、はたまたうっかり付けてしまったシミなどを補修するヨーロッパの家庭で伝わる修繕技術のひとつです。
着なじんだものを長く愛用してもらいたい
幼いころから古いものに囲まれ、家族と一緒にものを修理したり、使い続けることの楽しさを身近に感じて育ったという野口さん。
古くなったものは買い替えが当たり前にできる今の時代。またデザイナーとして毎年新たな商品を提案するなかで、ファッションやデザインの現場に感じる矛盾や、さまざまな疑問に気づいたと野口さんはいいます。そんなときに出合ったダーニングが、野口さんのなかにあったいくつかの矛盾を解決する道しるべになったのだそうです。
野口さんは、スティッチを強調するようにデザイン要素を入れたり、着る人や服の雰囲気になじむように補修する「手繕い(ダーニング)」を提案しています。
着続けて体になじんだ衣類をもっと長く愛用してもらいたいという願いから、現代の衣類に適したさまざまな新しいダーニング技術を考案し、日本だけではなく世界に向けて教室やワークショップを開催して指導と発信を行っています。
大切なものとともに育ってゆく
いちじつでは、ダーニングに必要なキノコ型の道具「ダーニングマッシュルーム」をはじめ、針道具や色とりどりの糸など、装飾ダーニングを気軽に始められるアイテムを展開しています。
衣類だけでなく、靴下やマフラー、クッションカバーやラグなど、さまざまなものを自分らしく修繕できるのがダーニングの魅力。古くなったものをどんなふうに繕おうかと考える時間も楽しいですし、何よりとってもクリエイティブだなと思うのです。
ステッチの種類や、糸の組み合わせ方などアイデア次第でデザインが広がっていくダーニング。ぜひ楽しんでください。