ムジナの庭
穏やかで心地よい風が流れる場所
東京・武蔵小金井駅から徒歩約15分。細い路地に入った先に、黄色のアクセントカラーが目印の木々に囲まれた2階建ての四角い建物が見えます。そこがムジナの庭です。
扉を開けると、いくつかの部屋と2階に続く階段があり、大きな窓から明るい光が差し込む、風通しのよい空間が広がっています。その窓から望めるのはさまざまな木や植物が育つ豊かな庭。鳥たちの声も聞こえてきます。
ムジナの庭は、就労継続支援B型事業所です。心と体の問題により生活や就労が難しく、生きづらさを抱えている方が、それぞれのペースでこの場所に通いながらものづくりを行っています。
「ムジナの庭」の名前にある「ムジナ」とは、アナグマのこと。ムジナが掘った巣穴は、タヌキやキツネが棲み着くこともあるのですが、ムジナは追い出さず一緒に暮らすのだそう。
ムジナの庭という名前にはこの話のように、「それぞれが得意なことで活躍しながら、ともに暮らしていける場をつくりたい」という思いが込められています。
物語のあるプロダクト
ムジナの庭を立ち上げた鞍田愛希子さんは、人と植物への愛情にあふれた笑顔がとてもチャーミングな女性。京都で植物と哲学の実験工房「アトリエミショー」を主宰しながら、アロマや植物が人の心身に与えるポジティブな力の可能性を探ってきました。
そんな鞍田さん自身の知見や、クリエイティブな活動を行う友人・知人とのつながりを生かしてつくられているのが、ムジナの庭でつくられているアイテムです。
ジャム、クッキーなどのお菓子、アクセサリー、便箋などその種類は実にさまざま。アロマスプレーやアイピローといった、心と体のケアができるアイテムもあります。
これらの一部には、庭で採れた季節ごとのハーブや木の実などが使われることも。デザインやものづくりの背景にもこだわりがあり、一つひとつに物語を感じます。
思わずほしくなってしまうムジナの庭のアイテムは、月に数回行われているオープンアトリエで実際に見ることができます。穏やかな時間が流れるひとときを、機会があればぜひ体験してもらいたいなと思っています。
ムジナの庭で大切にしている「REVIVE」
ムジナの庭では、「REVIVE」という言葉を大切にしています。そこに込められた意味についてHPにはこう書かれています。
”私たちは、日常生活で見過ごされているもの(時に捨てられたり、忘れ去られたもの)を「REVIVE(リバイブ:再活性化)」させ、再び物・人・環境が輝きを取り戻し、循環していく「再生プロジェクト」を行っています”
いちじつ でお取り扱いしている、デッドストックのリネン生地を使用した玄米アイピローにも、このREVIVEの精神が込められています。
日々忙しさに追われてしまうと、自分自身をおざなりにしてしまうこともあるかもしれません。でも、そんなときこそ心と体のケアが必要。
ムジナの庭の空間のような風通しのいい健やかさを宿したアイテムが、それをやさしく手助けしてくれるはずです。