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蘭字茶箱 5キロ

前田工房

¥9,680(税込)

見せびらかしたくなる、浮世絵デザイン

懐かしい気持ちになる人もいれば、むしろ新しさを感じる人もいるかもしれません。

江戸時代から、お茶屋さんなどで使われてきた茶箱。内側のトタンは、茶葉を新鮮に保つための工夫です。防湿・防虫・防酸化に優れ、茶葉のみならず、食品や衣類なども保管できます。

こちらは、茶葉5キロ分を保管できるサイズ。米なら、10キロ程度が入ります。

モダンな印象を与えるのは、海外に輸出する茶箱に貼られていた「蘭字(らんじ)」と呼ばれるものです。明治時代に実際に使われていた蘭字を、当時のままに復刻。多色刷り木版画独特の色合いを、何度も色調整を重ねて忠実に再現しています。

茶葉の種類や等級、輸出先などが記されていて、「クローバーリーフ」「チャヤチョップ」は茶のブランド名だと考えられます。浮世絵師によるデザイン性の高さと配送ラベルとしての実用性が共存した図柄に、心くすぐられます。

木と向き合いながら

かつては茶の産地を中心に日本各地にあった茶箱工場ですが、今は全国に3軒が残るのみ。「前田工房」は、静岡県川根本町(ほんちょう)で100年近く茶箱をつくり続けてきた「前田製函(かん)所」の事業継承会社として、2016年に設立されました。

木箱に使われるのは、地元・川根の山で育まれた杉の木です。樹齢30年以上の間伐材を、3か月ほど野外で風雨にさらしつつ、内側からじわじわと乾燥させます。こうすることで、素直だとか暴れん坊といった、“木の性格”が現れやすくなるのだそうです。

大きさからイメージするよりも、ふわっと軽やかなところは杉ならではの特徴でしょう。長い年月がつむぎだす木目は一つひとつ表情が異なり、杉の木肌は手のひらにやわらかくなじみます。

天然木のあたたかみと手づくりならではの素朴な味わいがありながら、緻密な構造でふたがしっかりと密閉できるところもうれしいポイント。茶葉の鮮度を保つために、幾度も改良を重ねられた歴史が、ここに残っています。

手しごとをつないで「茶箱を打つ」

茶箱をつくることは「茶箱を打つ」と表現します。1つにつき14〜23個の木材パーツでできており、工場にはパーツをつなげる金づちの音がカンコンと響き渡ります。

前田工房で茶箱を打つのは、年齢も、性別も、経歴もさまざまな6名の職人たち。木取りに始まり、組み立て、トタン入れ、ハンダ付け、仕上げの和紙貼りまで。各作業を全員でリレーして、1つの茶箱が完成します。

大きな杉材から700ものパーツに切り分ける「木取り」は、“木の性格”を見極める、難しい仕事です。前田製函所の代表・前田宥(ひろし)さんからこの技術を受け継いだのは、地元で建具職人として50年以上働いてきた人物。これまでに培った経験を融合して、より美しい茶箱へと進化させています。

木はそれぞれ個性を持った生きもの——前田さんから引き継いだ技術と考え方を大切に、木と向き合いながら茶箱をつくっています。

ご近所と循環するものづくり

前田工房では、産業廃棄物が出ません。杉の端材は細かなものもすべて、かつお節製造の会社へ。乾燥しきった杉材が火をたきつけるのに最適だそうで、冬場は近隣住民のまきストーブの火種としても活用されます。

1週間で軽トラの荷台1台分ほども出るかんなくずは、養鶏場で肥料に姿を変えます。補強用の和紙を貼る米粉のりは残ったら軒先へ出しておき、鳥たちの食事となります。

「お礼に」とかつお節や卵、ご近所の方が育てた野菜が届き、どれもとってもおいしいのだとか! 小鳥たちのさえずりも、職人たちの気持ちを和ませてくれます。

このやり方も、前身の前田製函所から引き継いだもの。SDGsという言葉が生まれるずっと前から、地球にやさしい持続可能なものづくりがされています。

昔ながらの木箱を暮らしのなかに

さて茶箱に何を入れようかと考えるときに、覚えておきたいのが「入れたときの状態をそのまま保つ」という特徴です。

おすすめの使い方は、茶葉はもちろん、米、ナッツやドライフルーツなどの保存です。乾燥食品にわずかに残る水分をそのままにして、おいしさを保ってくれます。

一方で、濡れたものは濡れたまま保つため、水分が多い生野菜などには適しません。

5キロは洋服などの保管にもちょうどいいサイズですが、揮発性防虫剤などの使用はNGです。密閉性が高いため、薬品が充満して金属が黒ずんでしまいます。

それさえ気をつければ、ラフに扱って問題なし! 耐用年数は100年超えといわれ、お手入れも特に必要ありません。昔ながらの優秀な保管箱を、生活の道具として気軽に取り入れてみてください。

photo by Saori Kojima text by Mami Setogawa edited by Ikumi Tsubone

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メンバーのおすすめポイント

  • デザイナー 根本

    たくさん収納ができ、中のものを湿気や酸化から守ると聞き、「これは愛猫のカリカリ入れにぴったりだ〜!」と思いました。

    1.5キロのものを一回で2、3袋買うことがあるので、収納の際に生活感を無くしつつ、カリカリの劣化も防げるのはありがたいです。

    パッケージのレトロなデザインも素敵で、リビングや廊下にそのまま出しておきたいくらいです(拍手)。 

  • ライター / バイヤー 杉本

    レトロなデザインがたまりませんね! 

    大きな5キロサイズは、あえて「見せる収納」を楽しんでみてください。

    機能性を生かして、乾物や衣類などを入れていただきたいのはもちろんですが、インテリアとしてうまく使うのもアリだと思うのです。

    散らかりがちな子どものおもちゃや雑誌類、小物など、リビングに置いておけばサッと片付けて目隠しできちゃう優れものです!

  • ディレクター / バイヤー 坪根

    私はあまりプラスチックが好きではないので、できる範囲で木のアイテムを選ぶようにしています。

    こちらの茶箱は、辞書や書類など仕事道具を収納し、「お仕事BOX」として使いたいなと思いました。

    杉材の質感も、懐かしさを感じる内側のトタン素材もどちらもあたたかみのあるところに惹かれます。

  • プロジェクトマネージャー 三井

    明治期に日本茶を輸出する際に貼られていた輸出ラベルの「蘭字」。アート的価値もあるということで、蘭字の展覧会なども開催されたりしているのだとか。

    杉の間伐材を時間をかけて乾燥させて、職人さんがていねいに手づくりしているということで、あたたかみを感じます。

    レトロな雰囲気もいいですね。見せる収納としてぜひ使ってみてください。

  • ライター 瀬戸川

    5キロは私だと抱えるくらいのサイズなのですが、ふわっと軽くて驚きました。

    蘭字デザインは、もう“見せる収納”一択でしょう!

    5キロは暮らしのなかで使うのはもちろん、お店の在庫ボックスに使ってもよさそうです。使われているお店を見つけたら、一目置いちゃいます。




前田工房について

銘茶の産地、静岡県川根本町で100年近く茶箱をつくり続けてきた「前田製函所」の事業継承会社として2016年に設立。「川根に伝わる茶箱を、実用的な道具として未来に残したい」という思いのもと、職人たちの丁寧な手しごとで茶箱をつくっています。

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商品詳細・注意事項
サイズ 外寸:34cm×24cm×25cm
内寸:30cm×19cm×22cm
素材

杉(静岡県産)、トタン

無し
原産国 日本
注意事項

・撮影上、実商品と写真で色味が若干異なる場合がございますのでご了承ください。

・天然木を使用しているため、色や木目の出方が一点一点異なります。

・天然木を使用しているため、仕上がりサイズには若干の個体差があります。

・内側のトタンはさびやすいため、水拭きはおすすめしません。どうしても水拭きをしたい場合は、乾拭きを2回以上行ってからしっかりと乾燥させてください。

・和紙を貼っている米粉でんぷんのりは、水ではがれやすい特性があります。外側の木はなるべく水にぬらさないようにしてください。

・濡れたもの、揮発性の防虫剤は入れないでください。

・濡れたまま放置すると、金属部分に白サビが生じることがありますが機能性に問題はありません。

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