蘭字茶箱 1キロ

    前田工房

    ¥7,590(税込)

    明治時代のデザインを復刻

    茶葉を新鮮に保つ工夫として内側にトタンが施されていて、湿気も虫も寄せ付けません。こちらは1キロの茶葉を保管できるサイズで、米なら3キロ程度を保管できます。

    かつて、日本茶が海外へ盛んに輸出されていた頃。運搬用の茶箱には、「蘭字(らんじ)」と呼ばれるラベルが貼られていました。

    茶葉の種類や等級、輸出先などとともに、日本茶のイメージを浮世絵で表現したラベルは、日本のグラフィックデザインの先駆けともいわれています。

    こちらは、明治時代に実際に使われていた蘭字を復刻したものです。残された写真をもとにデザインをおこして、多色刷り木版画独特の色合いも当時のままに再現されています。

    木と向き合いながら

    かつては茶の産地を中心に日本各地にあった茶箱工場ですが、今は全国に3軒が残るのみ。「前田工房」は、静岡県川根本町(ほんちょう)で100年近く茶箱をつくり続けてきた「前田製函(かん)所」の事業継承会社として、2016年に設立されました。

    木箱に使われるのは、地元・川根の山で育まれた杉の木です。樹齢30年以上の間伐材を、3か月ほど野外で風雨にさらしつつ、内側からじわじわと乾燥させます。こうすることで、素直だとか暴れん坊といった、“木の性格”が現れやすくなるのだそうです。

    大きさからイメージするよりも、ふわっと軽やかなところは杉ならではの特徴でしょう。長い年月がつむぎだす木目は一つひとつ表情が異なり、杉の木肌は手のひらにやわらかくなじみます。

    天然木のあたたかみと手づくりならではの素朴な味わいがありながら、緻密な構造でふたがしっかりと密閉できるところもうれしいポイント。茶葉の鮮度を保つために、幾度も改良を重ねられた歴史が、ここに残っています。

    手しごとをつないで「茶箱を打つ」

    茶箱をつくることは「茶箱を打つ」と表現します。1つにつき14〜23個の木材パーツでできており、工場にはパーツをつなげる金づちの音がカンコンと響き渡ります。

    前田工房で茶箱を打つのは、年齢も、性別も、経歴もさまざまな6名の職人たち。木取りに始まり、組み立て、トタン入れ、ハンダ付け、仕上げの和紙貼りまで。各作業を全員でリレーして、1つの茶箱が完成します。

    大きな杉材から700ものパーツに切り分ける「木取り」は、“木の性格”を見極める、難しい仕事です。前田製函所の代表・前田宥(ひろし)さんからこの技術を受け継いだのは、地元で建具職人として50年以上働いてきた人物。これまでに培った経験を融合して、より美しい茶箱へと進化させています。

    木はそれぞれ個性を持った生きもの——前田さんから引き継いだ技術と考え方を大切に、木と向き合いながら茶箱をつくっています。

    ご近所と循環するものづくり

    前田工房では、産業廃棄物が出ません。杉の端材は細かなものもすべて、かつお節製造の会社へ。乾燥しきった杉材が火をたきつけるのに最適だそうで、冬場は近隣住民のまきストーブの火種としても活用されます。

    1週間で軽トラの荷台1台分ほども出るかんなくずは、養鶏場で肥料に姿を変えます。補強用の和紙を貼る米粉のりは残ったら軒先へ出しておき、鳥たちの食事となります。

    「お礼に」とかつお節や卵、ご近所の方が育てた野菜が届き、どれもとってもおいしいのだとか! 小鳥たちのさえずりも、職人たちの気持ちを和ませてくれます。

    このやり方も、前身の前田製函所から引き継いだもの。SDGsという言葉が生まれるずっと前から、地球にやさしい持続可能なものづくりがされています。

    ドライフードの見せる収納に◎

    実家では押入れにしまわれていた記憶がある茶箱ですが、蘭字茶箱はむしろ見せびらかしたくなるデザイン!  1キロは、キッチンやテーブルにそのまま置けるサイズ感です。

    特におすすめなのは、コーヒー豆やナッツ、ドライフルーツなどの保存です。乾燥食品にわずかに残る水分をそのままにして、おいしさを保ってくれます。

    一方で、濡れたものは濡れたままを保つため、生野菜などを入れるには適しませんのでご注意くださいね。

    からっとしたものを、からっとしたまま——昔ながらの優秀な木箱を、ぜひあなたの暮らしの相棒にしてください。

    photo by Saori Kojima text by Mami Setogawa edited by Ikumi Tsubone

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    メンバーのおすすめポイント

    • ディレクター / バイヤー 坪根

      さまざまな使い道がある茶箱ですが、私ならあえて王道のお茶を保管したいです。

      というのもお茶って、出かけた際に購入したり、お土産にもらったりと、ひとつ使い切る前にどんどん新しいものが増えていきません? 

      茶葉だけでなく、茶こしなどの道具も入れて「お茶を楽しむBOX」にするのもよさそう。楽しい想像が広がります。

    • デザイナー 根本

      なめらかな木肌はついつい触りたくなる柔らかさ。ふんわり杉の香りが残り、木の道具のよさを改めて実感します。

      いろいろな小物をしまいたくなる1キロサイズは、部屋のどこにでも気軽に置けて便利です。

      わたしは【CHAYA CHOP】の紺と赤のコントラストのあるデザインがお気に入り。

      和モダンなアイテムがあれば、遊び心のある部屋になり、より暮らしが好きになりそう!

    • プロジェクトマネージャー 三井

      西洋と日本のデザインが融合した蘭字。独特の雰囲気があるレトロなデザインが茶箱として復興です。

      1キロサイズは身の回りの小物入れとしてちょうどよさそうなサイズ感です。

      驚くほど軽いので、持ち運びも楽ちんなのがいいですね。

      インテリアとしてもぴったり。レトロなアイテムが好きな方への贈りものにもよさそうですね。

    • ライター / バイヤー 杉本

      ピシッと美しいつくり込みに驚きました。表面はなめらかで、見た瞬間思わずナデナデしてしまいました。

      1キロは持ち運びが楽なので、いろんな場所で自由に使っていただけると思います。

      玄関先で靴のお手入れセットをまとめたり、キッチンでティーセットを入れたり、リビングで小物入れとして使ったり。

      「こんなふうに使っています」というみなさんのアイデアも、ぜひ聞かせてくださいね。

    • ライター 瀬戸川

      古いものが好きな方なら、きっと一瞬で惹きつけられるデザイン! 

      蘭字は初めて知りましたが、今このパッケージのお茶があったら迷わず買っちゃうくらいすてきです。

      1キロはキッチンに出したままにできるサイズ感。茶箱自体がとても軽いので、お米など重いものの保管にもうってつけですよ。




    前田工房について

    銘茶の産地、静岡県川根本町で100年近く茶箱をつくり続けてきた「前田製函所」の事業継承会社として2016年に設立。「川根に伝わる茶箱を、実用的な道具として未来に残したい」という思いのもと、職人たちの丁寧な手しごとで茶箱をつくっています。

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    商品詳細・注意事項
    サイズ 外寸:24cm×17cm×16cm
    内寸:19cm×12.5cm×14cm
    素材

    杉(静岡県産)、トタン

    無し
    原産国 日本
    注意事項

    ・撮影上、実商品と写真で色味が若干異なる場合がございますのでご了承ください。

    ・天然木を使用しているため、色や木目の出方が一点一点異なります。

    ・天然木を使用しているため、仕上がりサイズには若干の個体差があります。

    ・内側のトタンはさびやすいため、水拭きはおすすめしません。どうしても水拭きをしたい場合は、乾拭きを2回以上行ってからしっかりと乾燥させてください。

    ・和紙を貼っている米粉でんぷんのりは、水ではがれやすい特性があります。外側の木はなるべく水にぬらさないようにしてください。

    ・濡れたもの、揮発性の防虫剤は入れないでください。

    ・濡れたまま放置すると、金属部分に白サビが生じることがありますが機能性に問題はありません。

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