Reflections Kaede リフレクションズ カエデ 鳴子こけし

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落ち着いたトーンのインテリアこけし

すやすやと眠っているようなやさしげな表情を見ていると、こちらまでにっこりしてしまいます。そんな、穏やかな気持ちにさせてくれる、こけしです。

こちらは、「桜井こけし」の「Reflections（リフレクションズ）」というラインです。名前には「時代を映す」という意味が込められていて、その時代に合ったデザインやカラー展開を毎年発表しています。

2023年に発表された「Kaede（かえで）」は、顔や模様が色墨で描かれていて、落ち着いたトーンが魅力的です。古民家カフェなど、アンティーク調のインテリアにしっくりとなじむ佇まいです。

鳴子温泉に息づく伝統を受け継いで

宮城県大崎市の鳴子（なるこ）温泉郷は、伝統的な鳴子こけしが生まれた町。「桜井こけし」は、この地で江戸時代の末期から代々続くこけし屋さんです。木工ろくろを使って、一つひとつ手作業で木を挽（ひ）いて、ていねいにこけしをつくっています。

リフレクションズラインは、海外展開を目的として誕生しました。開発にあたっては、フランスのパリまで足を運んで、デザインやインテリアへの感度が高い人たちに聞き取り調査を行ったそうです。

眠っているようなやさしい表情は、そのときにあった「インテリアとして飾りたいから、顔の主張が少ない方がいい」という声を形にしたものです。一本の線で目を描く手法は、4代目の昭二さんがつくっていた創作こけしを参考にしました。

頭を丸く塗る「黒頭（くろあたま）」という描き方は2代目の岩蔵（いわぞう）さんが、胴の細さが際立つ形は岩蔵さんの弟である健三郎さんが残したものだといいます。また、リボンのような前髪と両サイドに描かれたラインは、鳴子こけしから引き継いだデザインです。

リフレクションズラインからは現代的な印象を受けますが、先代の工人たちが残したアイデアや伝統を、現代の感覚に落とし込んでつくりあげられています。

自然な木の風合いを感じられるように

桜井こけしでは、鳴子をはじめ、岩手や山形など、東北の山々で育まれた木を使っています。Kaedeシリーズの素材は、イタヤカエデです。

こけしによく使われるミズキよりも少し赤みがかった色をしていて、ゆらぎのある木目が特徴です。桜井こけしが大切にしている木を乾燥させる工程は、ミズキよりもさらに長く、2年から3年もの時間がかけられています。

また、リフレクションズラインでは、自然な木の色や風合いを感じられるように、仕上げの「ろう引き」をしていません。秋に刈り取ったトクサと稲草を束ねた天然のヤスリを使って、きめ細かなツヤを引き出しています。

描彩には色墨を使っています。墨の染み込み具合によって色の濃淡が生まれて、より“一点もの感”を味わえます。

暮らしを彩るオブジェとして

こけしには珍しい色使いと、すらりとしたシルエット。現代の暮らしにフィットするデザインで、こけしのイメージがくるりと変わりました。ボックスもそのまま飾っておきたくなるような、すてきなデザインで、ギフトにもぴったりですよ。

墨は色落ちがしやすく、手汗などで色がにじむこともあるため、触るときはご注意を。ほこりが気になったら、乾いた布でやさしく拭き取ってください。濡れた布を使うと、墨がにじんでしまうのでご注意くださいね。

Kaedeシリーズの落ち着いた雰囲気は、インテリアにしっくりとなじみます。飾る場所は、直射日光が当たる場所と極端に湿度が高い場所を避けるのがベターです。暮らしの彩りに、やさしい表情のこけしをぜひどうぞ。

photo by Saori Kojima　text by Mami Setogawa edited by Ikumi Tsubone

メンバーのおすすめポイント

桜井こけしについて

古くから湯治場として知られる鳴子温泉郷で、江戸時代から続く鳴子こけしのお店。現在は５代目・櫻井昭寛さん、６代目・尚道さんが親子2人で、伝統的な「鳴子こけし」はもちろん、新たなデザインのこけし製作にも積極的に取り組んでいます。

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