ペーパーサーバーA4用紙がぴったり収まるトレイ

オフィスでよく見る光景を美しく

まっさらなコピー用紙を使って、仕事をすることはありますか？　私は、よくあります。そのときの行動を、振り返ってみるとこうです。

まず、前かがみになってコピー機のトレイをどっこいしょと開けます。何枚必要になるかわからないので、適当な枚数をつかんでデスクに持っていきます。

アイデアを書き出して満足して、デスクの脇にふと目をやると、数枚のコピー用紙がばらっと残っています。

白紙ですが微妙にシワができていたり、四隅が小さく折れ曲がっていたり、再度コピー機に戻すのはためらわれる状態です。またの機会に使おうと置いておくものの、別の資料を上から重ねて……。

この一連の動きやデスクでの光景を「なんかかっこ悪いなぁ」と感じていたのが、「SOGU（ソグ）」の代表・三宅喜之さん。プロダクトデザイナーという職業柄、スケッチを描く際によくコピー用紙を利用するそうです。

「スケッチを描くときは感覚が研ぎ澄まされていて、少し緊張感があります。テーブルに置いた紙にも少し緊張感のある姿でいてほしい。それであれば、紙がきれいに待っている場所をつくろうと考えました」

紙の断面がピシっ！と

従来のペーパートレイは「書きこまれた書類」を置くものですが、SOGUの「ペーパーサーバー A4」は「これから書き込む、未使用の紙」を置くためのものです。およそ100枚をスタンバイさせることができます。

最大の特長は、積まれた紙の断面がピシっとそろうこと！ コピー用紙の新しい包みを開けたときの、刀でスパっと切ったような気持ちよさをそのまま維持することができます。

そのため、A4用紙の規格サイズである縦297.0ミリ×横210.0ミリに対して、ほんのわずかに余裕をもたせただけの内寸がポイントです。実はこのサイズ設計が、一番苦労した点だといいます。

「もともとは規格サイズぴったりにつくっていたんですが、梅雨どきにお客さまから『A4用紙が入らない』という連絡がありました。そこで初めて知ったのですが、紙は湿度によって伸び縮みするんですね。製紙会社に相談したり、紙に関する文献を読んだりして、どの程度変化するのかを探りつつ、紙の断面がそろうという点は譲れないので、ギリギリのラインを狙いました」と三宅さん。

メーカーによっても紙のサイズに若干の差異があるため、お手持ちのA4用紙の長辺が297.2ミリ以内、短辺が210.2ミリ以内であることをご確認くださいね。

紙の居場所がつくる静かな景色

「SOGU」は、「プロダクトデザイナーが提案する、デザイン事務所で使ってほしい雑貨」を企画するブランドです。デザイナーならではの視点で、モノがつくり出す景色の美しさを追求しています。

ブランド名の由来は、“削ぐ”という言葉。モノが成り立つ要素を分解して、「どの要素があれば役割を果たすか、当たり前にあるこのパーツは本当に必要なのか」と整理することから、デザインが始まるそうです。

「ペーパーサーバー A4」も、A4ジャストサイズの底とL字形の2つの壁、というミニマルなつくり。真上から見たら、紙が一枚あるだけのように見える静けさです。

オフィスでも自宅でも、何かアイデアを出すときに、周りが散らかっていると気持ちがソワソワするもの。「紙が待ってくれている場所」をつくること、とってもおすすめです！

photo by Saori Kojima　text by Mami Setogawa edited by Ikumi Tsubone

メンバーのおすすめポイント

SOGUについて

大阪西区を拠点とするデザイン事務所による雑貨ブランド。「プロダクトデザイナーが提案する、デザイン事務所で使ってほしい雑貨」というテーマで、オフィスや暮らしのなかで使える雑貨を企画・販売しています。

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